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新刊のご案内(『不遇の放浪詩人−児玉花外・明治期社会主義の魁』)

 投稿者:志村正昭  投稿日:2007年 8月14日(火)14時22分7秒
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   ■新刊のご案内(『不遇の放浪詩人』)
 太田雅夫氏の新著のご案内です。
 著者による「あとがき」(pp.199-203.)から下記に引用しておきます。また、発行所のウェブ・サイト内のページもご覧ください。URLは、

  http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-03271-9.jsp

です(この投稿の末尾にも貼っておきます)。

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 太田雅夫〔著〕『不遇の放浪詩人−児玉花外・明治期社会主義の魁』

        (文芸社、2007年8月15日、203p.)
       (ISBN: 978-4-286-03271-9 / 本体価格: 1,400円)


 〔目次〕

 推薦のことば 山泉進

 はじめに
 一、児玉花外の家族・縁者の系譜
 二、児玉花外の同志社時代
 三、仙台の東華学校時代
 四、社会主義詩人の誕生
 五、『社会主義詩集』の発売禁止
 六、『花外詩集』の自費出版
 七、日露戦争下の花外の動向
 八、社会主義詩人からの離脱
 九、発禁本とその写本の行方
 児玉花外年譜(明治篇)
 児玉花外略年譜(大正・昭和篇)
 本文注
 あとがき


―「あとがき」より(pp.199-203.)―――――――――――――↓(以下引用)
 〔前略〕
 初期社会主義史の研究に携わってきた著者が、一念発起して社会主義詩人児玉花外の研究に取り組んだのは、二〇〇三年の春であった。なぜなら二〇〇三年九月一四日で、児玉花外『社会主義詩集』は発売禁止から一〇〇年を迎えるに当たり、不遇の社会主義詩人児玉花外と、いまだに姿を見せることがない、幻の『社会主義詩集』の「原本」と「稿本」と「写本」へ、レクイエムをささげるためでもあった。それまで同志社の関係図書館や各学部研究室、社史資料センターには、児玉花外の二八冊に及ぶ著書の原本は一冊も所蔵されていなかったのである。ところが、二〇〇三年三月になってやっと一冊、児玉伝八『花外詩集−附同情録』(一九〇四年二月、発売元金尾文淵堂)を、同志社大学人文科学研究所が某古書籍店から購入し、それがわたくしが研究をはじめたきっ掛けであった。
 調査研究をすすめ資料収集をはじめて行くと、続々と未知の資料が入手できた。したがって、当初に計画した論文の構想は調査研究が進むにつれて、次第に構想を変更せざるを得なくなってきたのである。
 本書『不遇の放浪詩人――児玉花外・明治期社会主義の魁』は、「社会主義詩人児玉花外の研究」として『同志社談叢』(同志社社史資料センター発行)の第二四号(二〇〇四年三月)、第二五号(二〇〇五年三月)、第二六号(二〇〇六年三月)の三号にわたって連載した論文が中心となっている。その後、新しく入手した史料や写真等を加えて、補筆したものが本書である。
 本書は、社会主義詩人児玉花外を研究の中心においたため、明治時代までの花外を対象として論じていることはいうまでもない。不遇の詩人児玉花外を理解するために、児玉家の家族・縁者の系譜を調べ、詳細な児玉花外関係系図を作成することができた。そのため花外の両親がねむる大雲院の墓碑・「過去帖」、姉千代と婿養子であった児玉信嘉一家の墓碑を若王子共同墓地で見つけることができた。東華学校関係では、花外の処女作「秋夜想故郷」の散文を発掘できたことは、詩人花外の原点がここにあるのではないかとさえ思えたのである。また、『社会主義詩集』刊行時の『評論之評論』のコピーを、研究仲間からの提供により利用できたことは幸であった。
 とくに、「日露戦争下の花外の活動」では、児玉花外の文人仲間であった同志社女学校教師高安月郊(三郎)と花外の関係、同志社神学校に入学し、海老名彈正から洗礼をうけた平尾不孤(徳五郎)との関係、さらに同志社基督教青年会による文芸会に、児玉花外、高畠素之、斎木仙酔、高安月郊、鈴木鼓村などが出演していることなど、これまでの研究では殆ど論じられなかったことが、資料の発掘によって確認できた。
 「発禁本とその写本の行方」では、大阪府立中之島図書館に『社会主義詩集原稿』が、発売禁止後の日露戦争勃発後に金尾文淵堂の金尾種次郎によって寄贈されていることを知り得た。この項は、『社会主義詩集』の「原本」や「稿本」とその「写本」が、いまだに姿を見せないので出現の期待をこめてのまとめである。
 〔中略〕
 ところで本書を出版するに当って、新たに「児玉花外年譜(明治篇)」と「児玉花外略年譜(大正・昭和篇)」を付した。従来ある数点の「児玉花外略年譜」は、余りにも事実誤認の箇所が多いのに気付いた。その原因は、すべて『明治文学研究』第一巻第七号(一九三四年七月)に掲載された神崎清・仲賢礼共編「児玉花外年譜」をモデルにして作成されているからである。
 そこで、新しい史料の発掘などもあり、私なりの年譜の作成を試みた。本書の主題となる社会主義詩人児玉花外に関しては「児玉花外年譜(明治篇)」として詳細な年譜を作成した。またその後の児玉花外の歩みを知っていただくために「児玉花外略年譜(大正・昭和篇)」を作成した。

 児玉花外の『社会主義詩集』は、わが国の発禁詩集第一号である。まさに『社会主義詩集』は、近代日本文学史にとっても歴史的遺産の一つに数えられるべきものといえる。すでに関係者が死去されてから相当な歳月が経ているので、ここに提言をさせていただきたい。
一、どこかに死蔵されている唯一の『社会主義詩集』の「原本」をお持ちの方
一、読書研究家の小寺謙吉氏が発見されたという「稿本」をお持ちの方
一、金尾文淵堂の金尾種次郎自身が筆者した「写本」をお持ちの方
 どうか今までの経緯をのりこえて、保存するに最もふさわしいと思われる、近代日本文学館へ、提供していただけることを切望してやまないのである。
 〔後略〕
―「あとがき」より(pp.199-203.)―――――――――――――↑(以上引用)



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